現代の日本は、モノに溢れています。しかも、どれも良いモノばかりです。バブル期では、需要と供給の絶妙なバランスのおかげで成立していた薄利多売の仕組みが現代社会では通用しにくくなっています。生産者の観点では、原材料、燃料、人件費の高騰やニーズの多様化に対して、販売価格の設定の比率がうまく調律できているとは言えず、結果として事業規模の縮小化や後継者不足が大きな課題となっているのを私は目の当たりにしてきました。消費者の良いモノを安く買いたいという心理は真っ当なものです。それがゆえに、大きく価格を変えることができない生産者がいるも現実です。
私どもには、ものづくりをする環境や技術はなく、あくまで中間的な役割を担う事業が主軸です。本来ならば、生産者が消費者に直接商品を販売する方法が、もっとも分かりやすく利益に繋がります。しかしながら、いくら現代社会の物流やオンライン化が便利になったと言っても、ものづくりをしながら、販売をすることは決して簡単なことではありません。
そこで私は、中間的な役割としての存在意義を見つめ直し、その在り方をオリジナルの方法でひとつ変えてみようと、独立し、UTSUWAMONO合同会社を立ち上げることにしました。
私は、独自に育んだ繋がりから、特にインド市場に着目しました。それはインド亜大陸の富裕層に無理矢理な価格設定で挑むのではなく、日本で生まれたモノの本来の価値を発信しながら、あらゆる層に手にとってもらえるような商品展開を目指しています。また同時に、インドの安い人件費で生産されるモノの価値も同じく日本市場に公平に流通させる目的もあります。
現時点では私の事業規模は小さなものですが、大地を一歩ずつ踏みしめながら、この企業理念を守り、サステナブルな取り組みを実現します。